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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁

青空文庫

黒いこびと

そして、なんとかうまくごまかして、賢二君をつれだすつもりです。さあ、いきましょう。グズグズしていると、賢二君が、どんなめにあうかもしれませんよ。」

小林君は、そういいながら、もう、おもての方へ、かけだしていました。

黒いこびと

それから、小林少年が、賢二君を助けるために、どんな計画をしたか、それは、しばらくおあずけにしておいて、お話を、もとにもどし、賢二君が、にせ明智のために、さらわれた、自動車の中のできごとになります。

運転台に、人間と同じぐらいの、巨大なカブトムシがすわっているのを見て、賢二君は、麻酔薬で眠っているおとうさんのひざへ、顔をかくしてしまいました。すると、となりに、こしかけていた、にせ明智が、賢二君の肩をトントンと、たたいて、

「なにをこわがっているんだ。よく見てごらん。ほら、ね、なんにも、いやしないじゃないか。」

と、笑いながらいうのでした。賢二君は、その声に、おもわず、顔をあげて、こわごわ、運転台の方を見ましたが、これは、どうしたことでしょう。そこには、もとの運転手が、ちゃんと、すわっているではありませんか。おそろしいカブトムシは、かき消すように、見えなくなってしまったのです。