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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁

青空文庫

それに、へいの外は道路ですから、夜でも人通りがあります。人の通るすきを見て、へいをのりこえなければなりませんから、それにも時間がかかるはずです。とても、ふつうの人間にできることではありません。

いくら考えてもわかりません。やっぱりカブトムシの怪人は魔術師です。魔術でなくては、こんな、はやわざができるわけがないのです。

高橋さんは、書生に医者をよばせて、気をうしなっていた女中に手あてをしてもらい、賢二君のおかあさんも、さるぐつわや縄をとって、ひと間にやすませました。そして、そのときのようすを、たずねてみましたが、いきなり、うしろから目かくしをされて、しばられたから、なにもわからなかったという答えでした。女中も話ができるようになったので、きいてみますと、これも、あっというまになぐられたので、あいての服装なども、まるでおぼえていないというのです。

そんなことをしているうちに時間がたち、やがて玄関にベルの音がして、中村警部の声がきこえました。書生に応接間へ通すようにいいつけておいて、高橋さんがはいっていきますと、応接間には中村警部のほかに、ふたりの背広の男がいました。