輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《銅銭会事変 短編(どうせんかいじへん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 106,745 字 · 216 頁
「あいやしばらくお待ちくだされい」
慇懃ではあるが隙のない声で、彼は背後から呼び止めた。女乗り物はピタリと止まり十人の武士は振り返った。
「深夜と申し殊には厳寒、女乗り物を担がれて方々は何処へ参らるかな?」
紋十郎はまず尋ねた。
白縮緬で覆面をした十人の武士はこう訊かれても、しばらくは返辞さえしなかった。無言で紋十郎を見詰めている。それがきわめて不遜の態度で嘲笑ってでもいるようである。
思慮ある武士ではあったけれど、紋十郎は若かったので、相手の様子に血を湧かせた。
「無礼な態度! 不埒千万! 見逃がしては置けぬ! 身分を宣らっしゃい!」
「黙れ!」
と、不意に、覆面の一人が、この時鋭く叱※(「口+它」、第3水準1-14-88)した。
「そういう手前こそ何者じゃ! 厳寒であろうと深夜であろうと、用事あればどこへ参ろうと随意じゃ! 他人を咎めるに先立って自ら身分を宣らっしゃい!」
「む」と紋十郎は突き込まれたので、思わず言葉を詰まらせたが、「南町奉行配下の与力鹿間紋十郎と申す者、して方々のご身分は?」
「ははあ、不浄役人か」紋十郎の問いには答えず、侮ったように呟いたが、