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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《銅銭会事変 短編(どうせんかいじへん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 106,745 字 · 216 頁

青空文庫

間の襖をサラリと開けた。

その部屋には燈火があった。行燈がボッと点っていた。

途方もねえ目違いさ

一人の武士が四筋の鎖で、がんじ搦みに搦められていた。畳の上に転がっていた。それを五人の異形の男女が、真ん中にして囲繞いていた。一人は僧侶一人は六部、一人は遊び人、一人は武士もう一人は振り袖の娘であった。娘は胡坐を掻いていた。そうして弓の折れを持っていた。

左伝次とお色の姿を見ると彼らは一斉に顔を上げた。

と、左伝次はお色へいった。

「お色殿、この方かね」搦められた武士を指さした。

ヒョイとその武士が顔を上げた。お色はやにわに、縋り付いた。

「弓様! 弓様! お色でございます!」ひとしきり部屋の中は静かであった。白旗弓之助はお色を見た。

「お色ではないか、どうして来た」驚いたような声であった。

「神道の兄貴、どうしたんだい?」

ややあって娘が――女勘助が、変な顔をして声を掛けた。

すると左伝次は苦笑いをした。

「飛んだ人違いだ。偉いことをやった。おいおい早く鎖を解きねえ」

鼠小僧外伝が、ガラガラと鎖を解き放した。と鎖は柱の中へ、手繰られたように飛び込んで行った。