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せきぼくじょうそうぎょうきじ
関牧塲創業記事
関 寛
線上閱讀関 寛《関牧塲創業記事(せきぼくじょうそうぎょうきじ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 20,461 字 · 40 頁
或は温泉を好むを以て、近所なる山鼻の温泉にも予は同行する事もあり。或は快く、或は発作し、自分にても此度は迚も全治すべからざるを悟りて、予に懇切に乞うて曰く、此度は决する事あり、依て又一に面会して能く我等夫婦が牧塲に関する素願たるの詳細を告げ示し置きたし、依て牧塲に行き又一と交代して又一をして早く帰宅せしめられたしと。乞う事切なり。且つ此れは妾が大に望む処なりと、数回促されたり。予は今世の別れとは知り、忍びざるも、然れども露国に対するの戦端開け、又一が召集せらるるも近きにあらんか、依て速に又一を札幌に出でしめ、責めては存命中に又一に面会せしめて、十分に話を致させるとして出発するも、心は残りて言うべからざるに迫まれり。尚死後の希望を予に向うて乞う事切なり。左に。
一、葬式は决して此地にて執行すべからず。牧塲に於て、卿が死するの時に、一同に牧塲に於て埋めるの際に、同時に執行すべし。
一、死体は焼きて能く骨を拾い、牧塲に送り貯えて、卿が死するの時に同穴に埋め、草木を養い、牛馬の腹を肥せ。
一、諸家より香料を送らるるあらば、海陸両軍費に寄附すべし。
五郎は常に看護を怠らず、最も喰料には厚く注意して滋養品を取り、且つ何の不自由無し、故に予が傍らに在らざるも少しも差支無きとて、出発を促せり。