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ずいひつぜにがたへいじ
随筆銭形平次
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《随筆銭形平次(ずいひつぜにがたへいじ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,840 字 · 10 頁
千葉の富山に滝沢馬琴の「八犬伝」の碑が建ったのは、随分昔のことであった。
大阪には近松の浄瑠璃の主人公、梅川忠兵衛や、小春治兵衛やらの碑が建っていると聴いた。この洒落ッ気は、大阪という極めて現実的な商業都市の出来事だけに、まことに嬉しい限りだと思う。
そう数えて来ると、我々が「半七塚」を建立して、浅草に一つの名物を加えるのは、まことに意義の深いことではないか、――と若い委員達が勢い立つのも無理のないこである。こうして捕物作家クラブは結成され「半七塚」は建立された。総理大臣吉田茂氏と幹事長広川弘禅氏の花輪の隣に、社会党書記長鈴木茂三郎君の花輪が並び、それに続いて五十幾つの花輪が飾られ、十一月六日の浅草中の人気を湧かせた。
「捕物小説」が好きだといい切れる、吉田首相の率直さをエライと思う――とラジオで私は放送した。インテリらしい顔をしている癖に、実ははなはだ泥臭い趣味と教養を持った人種が、なんといおうとそれは気にすることはない。捕物小説が、あのテンポとユーモアと、夢と詩情と、新しいモラルとで、ぐいぐいと伸しているのである。吉田首相は恐らくそれに楽しさを感じたことであろう。