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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

線上閱讀山崎 富栄《雨の玉川心中(あめのたまがわしんじゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,997 字 · 129 頁

青空文庫

三月一日

お互いをすっかり知り合うために、

心のすみまで打ち明け合っている。

昨夜、「みんなを帰して、泊っていく」と仰言っていられたけれど、奥様からのおことづてで留守番に御帰りになる。

外套を御着せして、出掛けた。顔見合わせて、二人共、淋しい笑い――。

野平さんと、近くまで御送りする。

今日は形容のないくらい御疲れの御様子。あとが、平常であって下さればいいと、祈る。

三月一日

朝、お使いの編集者がみえて御一緒にお帰りになる。十一時頃、千草の小父さんが来て封筒を「これを――」といって太宰さんからの手紙を渡される。煙草、その他を買って、私自身で持って来て下さいとのこと。早速身仕度していく。

園子ちゃんと二人で、しょんぼり火鉢に当たっていらっしゃる。「かき」「とうふ」「しらたき」の鍋物をお作りして召し上がる。

「園子ちゃん、いらっしゃい」と私の膝の上にだっこしたら、恥ずかしそうにしてお父さんのお顔をみていられた。あやとりしたり、犬や猫をつくったり、毛糸で花を造ったりして、心配することなく、親しむ。素直なよいお子様。正樹ちゃんが、ハンモックに寝ていられた。他の編集者の方達もみえて、太宰さんはその接待で大忙し。