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あめをふらすはなし
雨を降らす話
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《雨を降らす話(あめをふらすはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,519 字 · 25 頁
水滴が氷になると、一グラムについて八十カロリーの割合で潜熱が出る。また雲の中にドライアイスの粒で冷やされた部分と冷やされない部分とが出来るので、大気中に温度の複雑な分布変化を生ずる。それが雲の中に細かい擾乱を生ずるので、過冷却水滴と新しく出来た氷晶とが、入り混じった状態の雲になる。
こういうふうになると、大変巧いことが起る。というのは、同じ温度、例えば零下十度でも、過冷却した水と氷とでは、飽和蒸気圧が違い、氷の方が低いのである。それで過冷却水滴から水蒸気が蒸発して、それが氷晶の上に凝縮を起す。即ち水滴は蒸発して、氷晶が肥るのである。その結果は、沢山の雲粒が消えて、大きい氷晶、即ち雪が出来ることになる。そうなれば地上に落ちて来るので、これで雪を降らすことが出来るわけである。地表近いところが暖かい時は、この雪はとけて、雨となって降って来る。雲粒を互いにくっつけることは困難であるが、一度雪にかえれば、結果として、雲粒をたくさんくっつけて大きい雨滴にしたことになる。これが現代の人工降雨術である。
話は大変巧いし、また事実シェファー博士たちは、もう三年も前に、雨雲を氷雲にかえる実験には成功していたのである。