輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あめをふらすはなし
雨を降らす話
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《雨を降らす話(あめをふらすはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,519 字 · 25 頁
普通には、水は零度で凍るといわれている。しかしこの表現は非常に拙いので、水は零度では決して凍らない。氷と水とを接触させておいた場合、凍結が進行もせず、融解も起らないという温度があって、それが零度なのである。別の言葉でいえば、氷の芯があれば、水は測定し得ないほどほんの少し零度より低い温度、即ちほとんど零度で凍結するのである。
極めて簡単な実験は、試験管の中に蒸溜水を入れ、その中によく洗った寒暖計を立てて、それを氷と塩とで冷やしてみれば、すぐわかることである。寒暖計は零下三度くらいまで下がっているのに、水は液体のままでいるのが普通である。こういう零度以下でも液体の状態になっている水を、過冷却の水という。この過冷却の水に、小さい氷のかけらを一つ入れてやると、全体がほとんど瞬間的に凍ってしまう。過冷却の状態は、水滴が空中に浮かんでいる場合に、最もよく起りやすい。冬の上空にある雲は、もちろん零度以下である。しかしあの鼠色に見える冬空の雲は、ほとんど全部過冷却の水滴のままでいるもので、氷の粒になっている場合は極めて稀である。もっともずっと高いところにある、刷毛ではいたような形の雲は、氷の粒の雲である。