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あめ
雨
織田 作之助
線上閱讀織田 作之助《雨(あめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 30,421 字 · 60 頁
恥をさらす様なものだったが、安二郎は兄の守蔵とお兼に事の次第を話して、如何いしましょう。追い出す気はないのであった。守蔵はお兼に万事一任した。お兼は、先ず、お君を追い出す様な処置は残酷だと主張することによって守蔵に対する自分の位置を権威づけ、そして娘の縁談を想って、安二郎の家風に傷がつかぬ様に、事穏便に秘密にしてしまわねばならぬと意見を述べた。安二郎はお兼の意見に従うことを良しとした。何よりも先ず、四十過ぎて妻に裏切られた男の醜態を人眼にさらしてはならないのだった。彼の嫉妬は陰に籠った。悋気といういまわしい言葉に絶えずおびやかされながら、ひそ/\声でお君をのゝしるのだった。しかも何たる事か、それとなくお君の機嫌をとり、着物など見立てゝ買って来たりするのだった。お君が鏡台の前で着付けするのを傍で見ながら、安二郎は思いつく限りの嫌味な言葉を苦々しくだら/″\と吐きかける。お君は鏡の中でちらりと笑う。心が軽いのだった。安二郎は打ちのめされた気持がした。だから、今度のことは豹一の出世の妨げになるやろという一言がお君の虚をつくという意外な効果をもたらしたことにふと気付くと、専ら豹一を持ち出した。