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ろはんせんせいとかがく

露伴先生と科学

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《露伴先生と科学(ろはんせんせいとかがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,198 字 · 15 頁

青空文庫

私は露伴先生のものは少ししか読んでいないし、お目にかかったのも、三、四回くらいのものである。それで先生についてはあまり書く資格もなく、また材料も持ち合わせていない。しかし露伴先生のことは小林勇君を通じて、この近年よくきいていたし、上京して武見国手に会うごとに、先生の容態のことが一度は話題に上ったので、晩年の先生の風貌に親しい接触があったような錯覚に陥ることもあった。そういう機縁で、この小文を書きかけたのであるが、材料は大部分小林君から得たものである。また直接先生にお目にかかっていろいろ話をきいた時も、いつでも小林君につれて行かれたわけである。

『幻談』以前の昔の露伴ものを時々読んでいた頃は、露伴という名前は、既に歴史的の人物として私の頭の中にあった。それが同時代人として初めて感ぜられたのは、寺田先生の晩年における、露伴、寅彦のつらなりからである。小林君はこの両先生のいずれからも、深く愛されていたので、両先生の年老いてからはじまったこの交遊には、小林君というものがその仲立ちにあったのであろう。

寺田先生はもちろん露伴を尊敬しておられたが、露伴先生の方も寅彦を愛敬しておられたようである。