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ほしみせ
露肆
泉 鏡花
線上閱讀泉 鏡花《露肆(ほしみせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,973 字 · 32 頁
あったので、耳を立てて聞合わせたものであった。
会得が行くとさも無い事だけ、おかしくなったものらしい。
「大福を……ほほほ、」と笑う。
とその隣が古本屋で、行火の上へ、髯の伸びた痩せた頤を乗せて、平たく蹲った病人らしい陰気な男が、釣込まれたやら、
「ふふふ、」
と寂しく笑う。
続いたのが、例の高張を揚げた威勢の可い、水菓子屋、向顱巻の結び目を、山から飛んで来た、と押立てたのが、仰向けに反を打って、呵々と笑出す。次へ、それから、引続いて――一品料理の天幕張の中などは、居合わせた、客交じりに、わはわはと笑を揺る。年内の御重宝九星売が、恵方の方へ突伏して、けたけたと堪らなそうに噴飯したれば、苦虫と呼ばれた歯磨屋が、うンふンと鼻で笑う。声が一所で、同音に、もぐらもちが昇天しようと、水道の鉄管を躍り抜けそうな響きで、片側一条、夜が鳴って、哄と云う。時ならぬに、木の葉が散って、霧の海に不知火と見える灯の間を白く飛ぶ。
なごりに煎豆屋が、かッと笑う、と遠くで凄まじく犬が吠えた。
軒の辺を通魔がしたのであろう。
北へも響いて、町尽の方へワッと抜けた。
時に片頬笑みさえ、口許に莞爾ともしない艶なのが、露店を守って一人居た。