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せいねん

青年

森 鴎外

線上閱讀森 鴎外《青年(せいねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 123,670 字 · 246 頁

青空文庫

しかし一時というのは比較的な詞である。

こんな事を思っている処へ、婆あさんが朝飯を運んで来たので、純一は箸を取り上げた。婆あさんは給仕をしながら云った。

「昨晩は大相遅くまで勉強していらっしゃいましたね」

「ええ。友達の処へ本を借りに行って、つい話が長くなってしまって、遅く帰って来て、それから少し為事をしたもんですから」

言いわけらしい返事をして、これがこの内へ来てからの、嘘の衝き始めだと、ふいと思った。そして厭な心持がした。

食事が済むと、婆あさんは火鉢に炭をついで置いて帰った。

純一はゆうべ借りて来たラシイヌを出して、一二枚開けて見たが、読む気になれなかった。そこでこんなクラッシックなものは、気分のもっと平穏な時に読むべきものだと、自分で自分に言いわけをした。それから二三日前に、神田の三才社で見附けて、買って帰った Huysmans の小説のあったのを出して、読みはじめた。

小説家たる主人公と医者の客との対話が書いてある。話題は過ぎ去ったものとしての自然主義の得失である。次第次第に実世間に遠ざかって、しまいには殆ど縁の切れたようになった文芸を、ともかくも再び血のあり肉のあるものにしたのは、この主義の功績である。