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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
線上閱讀織田 作之助《青春の逆説(せいしゅんのぎゃくせつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,593 字 · 325 頁
駆けずりまわるときはさすがに洋服は着込んでいたらしいが、さて社で記事を書くときは褌一つだったんだ。まあ、それほど大車輪で目覚しかったんです。ところが、当時社長の女秘書がいたんだ。これがまた頗る美人で、おまけに名門の出だもんで、例の遊ばせ言葉と来てるんだ。じつは、結婚してたんだが、亭主が小間使に手を出したてんで、飛び出して尖端を切った職業婦人になったという代物なんだがね。この秘書女史が編輯長と同じ部屋にいたんだが、ある日、この女史が社長にいきなり辞意を表明したと、思い給え。その理由がなんだと思う……? うふふ」土門は嬉しそうに笑った。「――その理由ってのは、君、あれだよ。うふふふ……。編輯長さんの越中をなんとかしてもらえんか――って、そんな言い方はしなかっただろうが、ともかくまあそんな意味のことをやわりやわり社長に言ったんだね。社長もさすがに弱って、結局編輯長を呼びつけて曰くだ、――君、褌は困るね。せめて汚れない奴を着用してくれんか。――あははは」土門はまるで転げまわっていた。「――というわけで、問題はけりがついたが、ともかく美人の秘書の前で汚れた褌一つで平気でいるところを見ると、奴さん女には全然興味がないと見てまあ差支えないだろう? 少しでも興味があればだね、少くともステテコ位は穿いたろう。