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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
線上閱讀織田 作之助《青春の逆説(せいしゅんのぎゃくせつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,593 字 · 325 頁
しかし、それならそれで佐古は一層腹を立てたところだったかも知れない。
(あいつは惚れられとる。生意気な奴)……には変りなかった。
(二度と再び『オリンピア』へ来られんように、がーんとひとつ行ったらんといかん!)そう思ったが、しかし、さすがに大人気ないと躊躇した。が、ふと、(あいつはうちの商売の邪魔や!)
そう思いつくと、やっと口実がついた。これならば、ひとにきかれたとしても、恥しくないわけだ。少くとも、佐古は焼餅をやいて若い男を撲ったと思われなくて済む。
かつての電機工らしく、佐古は他人を撲る快感を想って、ぞくぞくした。が、ふと思えば、佐古は豹一に弱点を握られているわけだった。
(おれが出たら拙い。あとで新聞に書かれたらわやくちゃになる)そこで、佐古はかねがね「オリンピア」と縁のある道頓堀の勝に依頼することにした。
道頓堀の勝は頼まれたことを、簡単にやってのけた。わざわざ喧嘩を売るきっかけを求める必要もなかったのである。道頓堀の勝は「オリンピア」が閉店になって、豹一が多鶴子より一足先に出て来るところを待ちうけていたのだが、おいと声を掛けて寄って行ったかと思うと、もう豹一の方から突っ掛って来た。