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ふうちそう

風知草

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《風知草(ふうちそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 44,107 字 · 88 頁

青空文庫

ひろ子が訊いた。

「後家のがんばり、かい?」

二人が話しやめたその位置で、重吉は、はっきりと又その表現をとりあげた。

「わたしには、ね。どうしてああ急におっしゃったのか、きっかけが見つからないのよ。さっきから考えているけれど。……でも、きっとそういうところが出来ているんでしょうね」

たとえば同じ夜の道を、こうして二人で歩いている。その歩きぶりも心持も、一人で出来るだけ早くといそいで歩いているときと、どんなにちがうことだろう。ひろ子はそれも一つの例として話した。

「自分でどこをどうがんばっているのかわからないところが、つまりくせものね」

「心配しなくてもいいんだ。ただ、これまでひろ子は、云わば一人ぼっちでがんばって来たんだから、どうしても、そういうところも出来たのさ。又それだからこそ、もったというようなところもあるんだし。――しかし、もう条件が変ったんだからね……そうだろう?」

「ほんとねえ」

うれしい方へ条件が変って僅か半月ばかりのこの頃。それにくらべて条件が変るとすれば、より悪くしか変りようのなかったこれまでの十数年間。

「なんて云っていいか分らないようだわ。