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めしまつま
飯待つ間
正岡 子規
線上閱讀正岡 子規《飯待つ間(めしまつま)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 59,525 字 · 126 頁
しかしこの趣は去年も句にならなんだのであるから強いては考えなんだ。聯想は段々広がって、舟は中流へ出る、船頭が船歌を歌う。老爺生長在江辺、不愛交遊只愛銭、と歌い出した。昨夜華光来趁我、臨行奪下一金磚、と歌いきって櫓を放した。それから船頭が、板刀麺が喰いたいか、飩が喰いたいか、などと分らぬことをいうて宋江を嚇す処へ行きかけたが、それはいよいよ写実に遠ざかるから全く考を転じて、使の役目でここを渡ることにしようかと思うた。「急ぎの使ひで月夜に江を渡りけり」という事を十七字につづめて見ようと思うて「使ひして使ひして」と頻にうなって見たが、何だか出来そうにもないので、復もとの水楼へもどった。
水楼へはもどったが、まだ『水滸伝』が離れぬ。水楼では宋江が酒を飲んで居る。戴宗も居る。李逵も居る。こんな処を上品に言おうと思うたが何も出来ぬ。それから宋江が壁に詩を題する処を聯想した。それも句にならぬので、題詩から離別の宴を聯想した。離筵となると最早唐人ではなくて、日本人の書生が友達を送る処に変った。剣舞を出しても見たが句にならぬ。とかくする内に「海楼に別れを惜む月夜かな」