輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ばきんのしょうせつとそのとうじのじっしゃかい

馬琴の小説とその当時の実社会

幸田 露伴

線上閱讀幸田 露伴《馬琴の小説とその当時の実社会(ばきんのしょうせつとそのとうじのじっしゃかい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,640 字 · 15 頁

青空文庫

当時どころではありません。明治の聖代の今日だって、犬塚信乃だの犬飼現八だの、八郎御曹司為朝だの朝比奈三郎だの、白縫姫だの楠こまひめだののような人は、どうも見当りません。まして火の中へ隠れてしまう魔法を知って居る犬山道節だの、他人の愛情や勇力を受けついでくれる寧王女のようなそんな人は、どう致しまして有るわけのものではありません。それでは馬琴が描いた小説中の人物は当時の実社会とはまるで交渉が無いかというと、前々から申しました通り、直接には殆ど関係が無いのでありますが、決して実社会と没交渉無関係ではありませんように考えられます。

それならどういう風に関係が有ったろうかといいますと、便宜上その答案を三つに分けて申しますが、馬琴の小説中の人物は大別すれば三種類あるのでして、第一には前に申しました一篇の主人公や副主人公やその他にせよ、とにかくに篇中の柱たり棟たる役目を背負って居る「善良の人物」であります。第二には、梟悪・奸悪等の「邪悪の人物」であります。『弓張月』で申しますれば曚雲だの利勇だの、『八犬伝』で申しますれば蟇田素藤だの山下定包だの馬加大記だのであります。