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まおうものがたり
魔王物語
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《魔王物語(まおうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,506 字 · 23 頁
七
そして、朝になると作平が来て提灯の話をした。平太郎は笑って聞いた。
作平は其の足で西行寺へ往って目的の画像を首尾好く借りて来たので、平太郎はそれを床の間にかけて香を焚き花を供えた。そして、夜になるとそれに灯明をつけて、其の前に坐って静にお経をあげていると、其の画像がひらひらと軸の中から抜けだして室の中を廻りはじめた。平太郎は微笑しながらそれを眺めていた。と、暫くして書像は本のように軸の中へ入ってしまった。
其の夜のことであった。平太郎が寝床の中で眼を覚してみると、生首がうようよと傍に集まっていて、彼の顔を見て笑ったり蚊帳の中をころころと転がり歩いた。
また某夜などは、平太郎が寝ようと思って戸じまりをして室へ帰って来ると、孕み女が醜悪な容をして室の真中に仰向けになっていた。剛気な彼は笑いながら女の腹の上に腰をかけた。腹はぶくぶくと潰れて蛆がうようよと出て臭気が四方に満ちた。
七
作平に限らず稲生の知人は皆どうかして妖怪を退けたいと思った。向井次郎右衛門は合蹄の罠に妙を得ていると云う猟師を伴れて来た。
其の猟師は重兵衛と云う男であった。彼は平太郎に向って某寺で大般若経を空中に投りあげて、和尚をはじめ参詣人を恐れさした古狸や、また、某祠を三筒に見せて人を驚かした古猫やを蹄で捕獲した話などを聞かし、それから室の模様