輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はとつかい

鳩つかひ

大倉 燁子

線上閱讀大倉 燁子《鳩つかひ(はとつかい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,680 字 · 30 頁

青空文庫

「そこまで分っているのに何故早く捕まえなかったんだ?――高飛びしたらどうする?」

「逃げやしない。利口な女だから逃げりゃ自分に疑がかかる位は承知している。――僕の話は半分想像だからね、確証が掴みたかったんだ」

「じゃ、どうして天華堂を疑って電話なんかかけたんだね?」

「彼女と共謀じゃないかと思った」

車はホテルの手前で停った。

「保険会社の女外交員が、こんな立派なホテルに住んでいるのか?」

立松は呆れて眼を瞠った。赤星は笑いながら、

「これは彼女の隠れ家だ。ここでは岩崎文代と称している。このホテルは西洋人が多いから、ダイヤを売るには何かと都合がいいんだろう。岩城文子としての住居は小さなアパートの一室なんだ」

一同はエレベーターで五階に昇った。岩城文子の室の前に立った、赤星は扉を静かにノックした。

室内はひっそりとして、人がいないようだったが、少時すると床を歩く衣擦れの音がして、内から扉を細目に開けて廊下を覗こうとした処を、素早く一人の刑事が肩で押し開けて中に入った。立松と赤星はその後に続いた。文子は真青になって下唇を噛み、恨めしそうに赤星を見ながら、顔にかかる遅れ毛を耳の後へ掻き上げた、その細い指には眩しいようなダイヤの指輪が輝いていた。