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めいせつじじょでん

鳴雪自叙伝

内藤 鳴雪

線上閱讀内藤 鳴雪《鳴雪自叙伝(めいせつじじょでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,693 字 · 377 頁

青空文庫

私は武者で好きだったのは始めは八幡太郎であったが、少し年を経てから木曾義仲が大変に贔屓になった。その頃は九郎判官義経を贔屓にするというのが普通であったが、私は義仲でなくちゃならなかった。絵本でも錦絵でも義仲に関した物を非常に喜んだ。義仲があんな風に討死したのが可哀そうでならなかった。従って静より巴御前の方が好きであった。第一勇気もあると思った。五、六歳になっては、更に源平盛衰記保元平治物語の絵入本を見ることを初めた。文字はまだ読めなかったが、よく父から絵解をしてもらったので、その筋をよく解していた。

祖父は、私が少し大きくなってからはとんともう錦絵をくれぬようになった。私はこれをひどく淋しく思っていたが、祖父は在番が終って藩地へ帰る時に、特に買ってくれたのが右の保元平治物語の十冊揃いである。

それから私は仮名ややさしい漢字がわかるようになって、盛衰記や保元平治物語を拾い読みした。これは八つ九つの頃であった。日本の歴史を知った端緒は実にこの二書であった。

草双紙も好んだが、これは私のうちには無かった。隣の間室という家に草双紙を綴じ合わせたのがあったのを、四つ五つの頃からよく遊びに行って見ることにしていた。