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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《黄金仮面(おうごんかめん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,357 字 · 287 頁

青空文庫

相手は四人、こちらは何の武器もない二人だ。絶体絶命である。

明智は波越氏の耳に口を寄せて、慌しく何事か囁いた。そうして賊に向き直ると、

「こちらは武器はないのだ。騒がなくてもいい。僕達をどうしようというのだね」

と声をかけた。

「暫く僕達の隠れ家の客になってほしいのだ。君達が自由に歩き廻っていることは、少々邪魔っけなのでね」

賊がおだやかに答えた。

「それでは、案内して呉れ給え。君達の隠れ家を拝見しよう。僕等はルパン君にも逢い度いのだから」

明智は事もなげに云って、もう歩き出していた。四人の賊は、案外らしく、でもピストルを構えたままあとに従った。

二三歩あるくと、明智の身体が独楽の様にすばやく廻れ右をして、一番先頭にいた賊の手元に飛び込んだ、何をする暇もなかった。アッと思う間に、一挺のピストルが明智の手に移っていた。

「サア、君達の丸が早いか。僕のピストルがこの男を倒すのが早いか」

明智の左手は一人の黄金仮面の片腕をねじ上げていた。ピストルを取られた男だ。

残る三人は同類の命を思って、立ちすくんでしまった。

ジリジリと汗のにじむ睨み合いが続いた。明智のピストルは一人の賊の脇腹に、三人の賊のピストルは、隙もあらばと明智の胸板に狙いを定めて、闇の中に五人の影が化石していた。