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まるまるじゅう
○○獣
海野 十三
線上閱讀海野 十三《○○獣(まるまるじゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,139 字 · 43 頁
そのままでは人間の眼にも停まらないのだった。その廻転を停めるためには、セメントで○○獣を固めてしまえばいい理窟だった。なるほど蟹寺博士は豪い学者だと敬二は舌をまいて感心した。
しかしそのとき不図不審に思ったのは、セメントは乾くまでになかなか時間が懸るということだ。ぐずぐずしていれば、○○獣はまた穴のなかからとびだして来はしまいか。そう思ったので、敬二は心配のあまり蟹寺博士にたずねた。
すると博士は、眼鏡の奥から目玉をぎょろりと光らせて云った。
「なあに大丈夫だとも。今穴の中に流し込んでいるセメントは、普通のセメントではないのだ。永くとも一時間あれば、すっかり硬くなってしまうセメントなんだよ。そのセメントのなかで○○獣は暴れているから、摩擦熱のため、セメントは一時間も罹らないうちに固まってしまうだろう」
なるほどそういうものかと敬二は、また感心した。
「そんなセメントがあるのは知らなかった。これも博士の発明品なのですか」
「そうじゃない。この早乾きのセメントは前からあるものだよ。歯医者へ行ったことがあるかね。歯医者がむし歯につめてくれるセメントは五、六分もあれば乾くじゃないか。