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あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいごかん)
あとがき(『宮本百合子選集』第五巻)
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《あとがき(『宮本百合子選集』第五巻)(あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいごかん))》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,313 字 · 7 頁
その結果十人足らずの氏名があげられたということであった。
「ある回想から」という私の文章のなかで割合くわしくふれているけれども、中野と私とは内務省へ行ってそういう理由のはっきりしない執筆禁止について抗議した。それから、私は、当時、保護観察所と云って、治安維持法にふれたことのある人々を、四六時中つけまわして思想的生活的に制約することを仕事にしていた役所へ行って、検事であるその所長に会って話した。当時はまだ、作家の生活権を奪うということからの抗議に対しては内務省も保護観察所も、耳を傾けなければならない立場だった。同じ事情におかれた評論家の中には、早速内務省へ個別的に自分の思想的立場を釈明した文書を出した人があり、そういう人にはすぐ特別のはからいをしたという役人の言葉であった。
中野も私も、そういうことはしまいということに相談をきめた。そして、一九三八年まる一年と翌年の初夏まで、私はかいたものの発表が出来なかった。中野重治も同じようなことであったと思う。
「その年」という小説は、こういうひどい時期の記念の作品となった。『文芸春秋』が、一九三九年の春、もうそろそろ私も作品発表が可能らしいという見込みで、「その年」