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いたずらこぞうにっき
いたずら小僧日記
佐々木 邦
線上閱讀佐々木 邦《いたずら小僧日記(いたずらこぞうにっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,226 字 · 128 頁
女というものは理性がないから困って了う。姉さんは矢庭に乃公の口へ手を当がって、引摺り出して戸を閉めて了った。
乃公は再び毛布巻きにされて身動きも叶わぬ。今度はお島が番人をしているから到底逃げる訳に行かない。可けませんよとお島が泣きそうになるのにも構わず、乃公は乗出して此日記をつけた。いくら乗出しても今度は川へ落ちっこない。其間にお島は死にかけた魚のように欠伸ばかりしている。それが追々乃公に伝染して、乃公も大分睡くなった。
二週間というもの日記どころでなかった。川に落ちて水を飲んだ上に、汗の出花を冷えたのが悪かったそうだ。森川さんは、日に二遍も見に来て呉れる。親切な人だ。此間赤ん眼なんかしなければよかった。しかしお春は太い女だ。今朝お花姉さんに、これからは支度が忙しいから太郎が当分寝ていて呉れればいいなんて言っていた。何の支度か知らないが、一体何処を押せば那音が出るのだろう。呆れたもんだ。乃公は丈夫の時には一日に三度も郵便を出しに行ってやった。尤も途中で手紙を失くした事が三四遍あるけれど、其だって乃公は土鼠のように黙っていたから分りっこない。其を木の端か何ぞのように、一月も寝ていればいいなんて何事だろう。