輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しじみがし

しじみ河岸

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《しじみ河岸(しじみがし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 25,438 字 · 51 頁

青空文庫

と茂吉が訊いた、「あの男が、なにか致したのでございますか」

「いやなんでもない、溺れていたから助けてやっただけだ」

「然しなにか、いま」と茂吉が云った、「石を抱かされても饒舌らないとか申しましたが」

「酔ってでもいるんだろう」彼は帯をしめ終って、ゆきたけを眺めながら云った、「――結構だ、店の暇を欠かせて済まなかったな、私は南の与力で花房律之助という者だ、明日にでも店へ寄るから、代銀を調べておいてくれ」

「いえ、とんでもない、お役に立ちさえすれば、手前どもではそれでもう」

「明日ゆくよ」と彼は云った、「済まなかった」

茂吉は帰っていった。それから律之助は、まだ横になっている六助のそばへいった。

「おい、――」と彼は云った、「ぐあいはどうだ」

六助は黙っていた。年は二十七八、色の黒い骨張った顔で、わざとらしく月代を伸ばしている。髭はきれいに剃っているので、月代はわざと伸ばしていることがわかった。

「おまえいま、なにも饒舌らないといばったな」と彼は云った、「石を抱かされても、なんぞとひどく威勢のいいことを云ったが、――つまり、なにか饒舌って悪いことがあるんだな」

「どうでもいいようにしてくれ」