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そのひとのよねんかん

その人の四年間

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《その人の四年間(そのひとのよねんかん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,577 字 · 11 頁

青空文庫

新聞は松岡洋子を編輯長とした。

櫛田さんは当時クラブの書記長であった。新聞そのものを実質的にクラブの機関紙としてゆくための闘いの時期、当然櫛田さんの心労ははなはだしかった。ちっとも金をもたない婦人民主クラブが、ともかくひとつの週刊紙を借金の上から送りだしつづけてゆくことは、楽なやりくりでありようなかった。また、クラブの仕事も新聞の仕事もひどかったから、そこにはどうしてもいろいろの摩擦がおこってくる。みんなのくたびれて泣き出したい気持がうずまいて、それは書記長である櫛田さんをひきずりこまずにはおかない。あんまりつらかったときには、櫛田さん自身もきっと泣いただろうと思う。心で泣くなどというしゃれた泣きかたではなく、ポロポロ涙をおとして泣いただろうと思う。わたしまで泣いたりしてごめんなさい、でもわたし、やっぱり泣けるのよ、といいながら。――櫛田さんにはこういう飾らない、人柄まるむきのところがある。そこが彼女を型にはめず、すました女史にしてしまわないところではないだろうか。

今日婦人民主新聞は四周年を迎える。こんにちまでに編輯長は、松岡洋子、湯浅芳子、厚木たか子、水沢耶奈子とうつってきた。