輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

そのきどをとおって

その木戸を通って

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《その木戸を通って(そのきどをとおって)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 22,448 字 · 44 頁

青空文庫

娘にふさという名を付けたこと、自分はふさを妻に直すつもりであること、ついてはふさを田原家の養女にしてもらいたいこと、などを挑戦的な口ぶりで申述べた。あたまからどなりつけられ、拒絶されるものと覚悟をしていたのであるが、田原はどなりもせず、腰をぬかすほど驚きもしなかった。話し終るまで黙って聞いていたし、話が終ってからも暫く黙っていた。その顔には困惑の色がみえたけれども、怒ったようすは少しもなかった。

「ちょっとむずかしいな」やがて田原は静かに云った、「加島家のほうが破談になってまだまがないし、この十二月には殿の御帰国で勘解由どのも供をして来られるから、そのとき相談のうえということにしてはどうか」

正四郎はちょっとわくわくした。

「それでも結構ですが」と彼は云った、「――貴方の御意見はどうでしょうか」

「おれの意見」と云って田原は屹と彼をにらんだ、「おれの意見によっては思案を変えるとでもいうのか」

正四郎は言葉に詰った。田原権右衛門の態度が予想を裏切って、殆んど好意を示すようにみえたため、うれしくなってつい失言してしまった。だらしのないやつだ、まるで追従じゃないか、と彼は自分に舌打ちをした。