輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

あわもりものがたり

『たぬき汁』以後

佐藤 垢石

線上閱讀佐藤 垢石《『たぬき汁』以後(あわもりものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 118,470 字 · 244 頁

青空文庫

再築の工事がはじまったのは、明治維新から三、四年前の、元治元年五月十三日で、竣工したのが、慶応三年一月二日であるから、城が出来あがると間もなく、僅か一年ばかりで廃藩となったわけである。

大きな城が九十九年も少しの手入れもすることなく、棄て置かれては、荒れに荒れて昼なお暗い叢林や身丈を隠す草原ができて、相馬の古御所を彷彿させるに充分であったのであろう。

そんな次第で、荒れた城内は狸と狐と雉子の巣となって、これが競って厩橋市中へ化けて出た。廃藩置県になってからは、城の裏側の利根の急流に臨んだ崖の上へは、県営の牢屋ができて、そこは明治初年に白銀屋文七が、遊人度胸を揮ったところであるが、その付近一帯が、また薄気味悪い場所となったのである。

あたり一面、葭と葦が生えて足の踏み入れようもない。そこへ、どこから来たか大蛇が移り住んだ。私の父は少年の頃、村の友だちと共に、その近くへ草刈りに行ったが、まことに恐ろしい場所であったと、私に語ったのを記憶している。

父の友人の一人は、その牢屋の近くで、大蛇に出逢い、毒っ気を吹きかけられ、家へはせ帰ったけれど、毒が全身にまわり、ついに死んでしまったという話だ。