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ちいさこべ

ちいさこべ

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《ちいさこべ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 33,480 字 · 67 頁

青空文庫

川越から帰って訪ねたとき、金のことを頼んだのである。大六は気づかなかったろうが、岩井町に持っている地所三百坪あまりを抵当にした。七兵衛は抵当も証文も不要だと拒み、金は必ず都合すると引受けたのである。いってみると約束どおりの金ができてい、茂次は地所を抵当にして証文とひきかえに受取った。七兵衛はこんなものは受取れないと云ったが、茂次もそれなら金は借りないと云い張り、ついに七兵衛のほうでかぶとをぬいだ。

岩井町へ帰った茂次が、助二郎に金を渡し、大六の来るのを待っていると、福田屋久兵衛と町内のかしらの勘助が、町方同心の中島市蔵というのを案内して来た。――久兵衛はまず不幸のくやみを述べ、同心をひきあわせてから、用件をきりだした。つづめていえば、孤児を大勢やしなっているのは不法だ、というのである。災害による孤児の始末はきまっていて、個人がこんなふうに多勢を集めてやしなう、などということは間違いだ。元の町内へ引取らせるか、お役人に任せるかどちらかにしなければならない。このままではお上にも憚りであるし、町内の迷惑にもなる、というのであった。そのときおりつがとびだして来て、「それはあたしが話します」