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なよたけ

なよたけ

加藤 道夫

線上閱讀加藤 道夫《なよたけ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 81,415 字 · 163 頁

青空文庫

男1 (右より)ええ、そこを偶然この私が通りかかったと云うわけなのですよ。

男2 ほう。……それはまたこの上もなく運がよろしゅうございましたねえ。

男1 ええ。もう、何と云いますか、あたりは夕靄に大変かすんで、花が風情あり気に散り乱れている。……云うに云われぬ華やかな夕方でした。……私も実はなぜかしらず心が浮き浮きしていましたもんで、……あの女がすーっと簾を巻き上げて、こちらの方をちらっと見られた時の、そのかおかたちの美しさと云ったら、……それこそもう……(二人左へ退場)

頭の上に花籠をのせた花売の乙女二人、左より右へ。

乙女1 花はいらんしょか? 花はいらんしょか?

乙女2 葵の花はいらんしょか?

乙女1 葵の鬘はいらんしょか? (右へ退場)

入れ代りに右より登場した若い男。中央辺にてふと立止り、右手花売の乙女達の方をふり向いて、思案する。突然、衝動的に、頭の葵の鬘をむしり取り、ぽいと投げ棄てるや、足早にもと来た右方へ逆戻り。

女1 (右より、憂鬱顔で)ただ、妙に頭が痛むのです。

男3 御修法をやっておもらいなさい。……北山の何とか云うお寺にとてもかしこい行者さんがいるそうです。