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ひとわれをこうしきしゅぎしゃとよぶ

ひと吾を公式主義者と呼ぶ

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《ひと吾を公式主義者と呼ぶ(ひとわれをこうしきしゅぎしゃとよぶ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,981 字 · 19 頁

青空文庫

が通用し始めるようになった。

元来文学主義と云うカテゴリーは、批判主義とか実証主義とかいうカテゴリー見たいな意味では、之まで存在しなかったのである。ゴーリキーの文学論の中などに一二ヵ処出ているようだが、その意味はごく一通りのもので、単に文学至上化や文学絶対化というようなことを指すに過ぎないらしい。だからこそ之は批判のレッテルとしては新鮮なのだ。処が、之に対抗する科学主義というレッテルは、それ自身少し寝呆けた言葉であるばかりでなく、そういう言葉自身が近代思想史の内にすでになくはないものだ。例えばル・ダンテク(二十世紀の生物学者である)のシャンティスムなどがそれで、而もこのシャンティスムは云わば十八世紀や又寧ろ十九世紀の俗流唯物論に甚だ近いものだから、現在の文学主義に対抗する野次としては間が抜けているのであるが、併しそれだけではなく、なまじ歴史的に歴然たる存在を有った言葉だけに、カリケチュアの指摘に役立てるためには、利き目が薄いのが遺憾だ。元来、既成の言葉を使って諷刺することは、事態の新しさに適応する力を失った時に多いことで、憂鬱な人間は誰でもハムレット、誇大妄想の人間は誰でもドン・キホーテと云った類で、大抵は隙だらけの特徴づけに終らざるを得ない。