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わがまち
わが町
織田 作之助
線上閱讀織田 作之助《わが町(わがまち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 93,840 字 · 186 頁
ところが、鍵が掛っていた。合鍵をもっていたので、あけて中にはいった。手さぐりで燈りをつけ、見渡すと、火の気ひとつなく、寒むざむとしていた。
火をおこし、火鉢の傍で何時間か待ったが、次郎は戻って来なかった。この雪の晩にどこを飲み歩いているのかと、君枝は身動きひとつしなかった。
犬の遠吼えがきこえた。
だんだん夜が更けて来た。
炬燵に炭団を入れていると、荒あらしく戸を敲く音がした。
玄関へ出て見ると、見知らぬ人が立っていて、お宅の主人がトラックにはね飛ばされて、大野病院へはいっているという知らせだった。君枝は立ったまま、ぺたりと尻餅ついた。
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命は助かったが、退院までには三月は掛るだろうという大怪我だった。
「あんぽんたん奴! 働きもせんとぶらぶら飲み歩いてるような根性やさかい、ぼやぼやして怪我もするネや」
他吉は知らせをきいて言ったが、しかしさすがに怒った顔も見せられず、毎日病院を見舞った。
君枝はもちろん三等病室で寝泊りし、眠れぬ夜は五日も続いたが、二週間ばかりするといくらか手が離せるようになった。
その代り、病院の払いに追われだした。