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ツェねずみ

ツェねずみ

宮沢 賢治

線上閱讀宮沢 賢治《ツェねずみ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,890 字 · 10 頁

青空文庫

お前の行きようが少しおそかったのや。」

「知らん、知らん。私のような弱いものをだまして。償うてください。償うてください。」

「困ったやつだな。ひとの親切をさかさまにうらむとは。よしよし。そんならおれの金米糖をやろう。」

「償うてください。償うてください。」

「えい、それ。持って行け。てめえの持てるだけ持ってうせちまえ。てめえみたいな、ぐにゃぐにゃした男らしくもねえやつは、つらも見たくねえ。早く持てるだけ持ってどっかへうせろ。」いたちはプリプリして、金米糖を投げ出しました。ツェねずみはそれを持てるだけたくさんひろって、おじぎをしました。いたちはいよいよおこって叫びました。

「えい、早く行ってしまえ。てめえの取った、のこりなんかうじむしにでもくれてやらあ。」

ツェねずみは、いちもくさんに走って、天井裏の巣へもどって、金米糖をコチコチ食べました。

こんなぐあいですから、ツェねずみはだんだんきらわれて、たれもあんまり相手にしなくなりました。そこでツェねずみはしかたなしに、こんどは、柱だの、こわれたちりとりだの、バケツだの、ほうきだのと交際をはじめました。中でも柱とは、いちばん仲よくしていました。