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かぜのまたさぶろう

ポラーノの広場

宮沢 賢治

線上閱讀宮沢 賢治《ポラーノの広場(かぜのまたさぶろう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 67,062 字 · 135 頁

青空文庫

それこそはあの飢饉の年マミミをさらった黒い男でした。

「黙れ。忘れたか。おれはあの飢饉の年の森の中の子供だぞ。そしておれは今は世界裁判長だぞ。」

「それは大へんよろしい。それだからわしもあの時男の子は強いし大丈夫だと云ったのだ。女の子の方は見ろ。この位立派になっている。もうスタアと云うものになってるぞ。お前も裁判長ならよく裁判して礼をよこせ。」

「しかしお前は何故しんこ細工を興業するか。」

「いや。いやいややや。それは実に野蛮の遺風だな。この世界がまだなめくじでできていたころの遺風だ。」

「するとお前の処じゃしんこ細工の興業はやらんな。」

「勿論さ。おれのとこのはみんな美学にかなっている。」

「いや。お前は偉い。それではマミミを返して呉れ。」

「いいとも。連れて行きなさい。けれども本人が望みならまた寄越して呉れ。」

「うん。」

どうです。とうとうこんな変なことになりました。これというのもテジマアのばけもの格が高いからです。

とにかくそこでペンネンネンネンネン・ネネムはすっかり安心しました。

五、ペンネンネンネンネン・ネネムの出現

ペンネンネンネンネン・ネネムは独立もしましたし、立身もしましたし、巡視もしましたし、すっかり安心もしましたから、だんだんからだも肥り声も大へん重くなりました。