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「ラジオおうごんじだい」のていちょう

「ラジオ黄金時代」の底潮

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《「ラジオ黄金時代」の底潮(「ラジオおうごんじだい」のていちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,621 字 · 11 頁

青空文庫

放送局の編輯局は、主として農村好況が農業に従う人々の間にラジオを増大させていると見ているらしいけれども、この間には非常に複雑な事情があるのではないだろうか。ひろく知られているとおり、今日の農村の少し進歩的なところは、窮乏からの脱出方法として、多角形農業経営に移って来ている。果物、野菜、米穀、繭等相場に関する関心は一銭二銭の汗の代金と連関して猛烈をきわめる。夜浪花節をきき、全国青年雄弁大会をきくより先に、それらの市場の景況を知ろうとする必要からラジオは経済問題とからんで農村に浸透しつつある。

米や繭の価が上って農民の生活が楽になるという風に単純にものを考えている人は今日尠いであろう。昨今の大衆課税の増加と物価騰貴は、ラジオを単に文化施設と見れば農民生活からその増大の可能を削減する傾きにある。大正十四年を一〇〇と見て、農産品価格、農村需要品の価格を見ると、

農産品 農村需要品

昭和十年 58.4  64.1

同十一年 65.5  67.5

同十二年 70.9  73.3

昭和十二年五月には、農産品六九・二に対して、農村需要品は七五・三までになっている。