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レンブラントのくに
レンブラントの国
野上 豊一郎
線上閱讀野上 豊一郎《レンブラントの国(レンブラントのくに)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,657 字 · 25 頁
レンブラントはライデンの貧しい粉屋の四番目の息子に生れ、風車で揺れる小さい部屋の中で、子供の頃から父や母や妹をモデルにしたり、自分の顔をモデルにしたりして、画ばかり描いていた。初めは教師に就いたこともあり、先輩の作品を模写したこともあり、イタリアの作品はあまり彼に訴えなかったようであるが、ルーベンスは或る時期には相当に彼を動かし、いつもルーベンスのことを考えていたようである。けれども、ルーベンスとはおよそ反対の行き方をするようになった。というのは、彼のあたまの中にもやもやしていたものを表現するには、他人の表現法では間に合わないことをはっきりと自覚したからである。それで、彼は自然を師として彼自身の表現法を発明した。形を正確に造り出して色と光で調子を出すことについての独得の表現法である。それは彼にとって生涯の研究問題であった。もちろん技術の問題ではあったが、それを指導するものは彼の心の内奥に燃えさかる人間知に対する探究の情熱であった。彼を遂に美術史上に於ける最も特色ある偉大な芸術家として造り上げた情熱であった。彼が「オランダのシェイクスピア」といわれるのも、その点で頗る適切な評語である。