輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《一寸法師(いっすんぼうし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,475 字 · 194 頁
ヘッドライトを消しているので、一寸見たのでは空家の一部分としか思えない。奇怪な男はそこまでたどりつくと、山野夫人をさし招いて、押し込む様に車の上に乗せ、何か運転手にささやいて彼も暗い箱の中へ入った。
自動車はただちに、けたたましい音を立てて、人通のない、堤の上を、吾妻橋の方へ、飛ぶ様に消え去った。
お雪は物蔭に立って、くやし相に車のあとを見送った。もうどうすることも出来ない。邸に帰る外はないのだ。だが、彼女は明智に報告すべき事柄を、少くとも二つ丈けは心にとめていた。その一つは怪しい男が夫人を連れ去った自動車の番号――二九三六という数字。もう一つは不思議な男の姿なり声音なり、殊にその特徴のある歩き振りが、彼女のよく知っているある人に酷似していたという事実だった。
余り意外な人物を思い出したので、お雪は変な気がした。頭がどうかしているのではないかと思った。だが、あの一寸びっこを引く歩き方は、どうしてもその人に相違なかった。肩の工合、ステッキのつき方、その他凡ての点が、間違うはずのない著るしい特徴を示していた。彼女はそれらの事柄を明智に電話で報告するために、邸に急いだ。