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ななじゅうぶんかのとし
七重文化の都市
野上 豊一郎
線上閱讀野上 豊一郎《七重文化の都市(ななじゅうぶんかのとし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,586 字 · 27 頁
実際、エジプトのバビロンといえば、その頃は昔のアジアのバビロンよりも有名だったが、今もカイロの郊外にデイル・エル・バビロンの名が残っている。
七世紀の前半にアラビア人の侵入が始まった。哈利発オマルの派遣したアムル・イブン・エル・アジという猛将が攻め込んで来て、バビロンの城砦を陥れ、エル・フスタト(フォスタト)と呼ばれる都市を作った。今のカイロ市の南に隣接する謂わゆる旧カイロがその記念として残ってる区域で、エジプトの回教化はその時代から間断なく行われた。フスタトの語意についてはいろんな説があるが、ローマ人がバビロンの城砦に外濠を繞らしてフォサトゥムと呼んでいたのを、アラビア語化してフスタトとし、陣営の意味で用いたという説が妥当らしい。スタンリ・レインプールの『中世』に拠ると、その時アラビアの侵入軍は破壊したバビロン城砦の付近に陣営を張ったまま長駆してアレクサンドリアを攻略し、帰って来てその陣営の位置に新都市を経営した。それがエジプトに於ける最初のアラビア都市で、後のカイロは其処から発展したフスタトである。新しい宮殿やモスクが次々に建てられた。
その後トルコ人がエジプトに勢力を得て、フスタトの北部(即ち今のカイロ市内の区域)に新都市を拡げ、マスル・エル・フスタト或いは略してマスル(またミスル)と呼んだ。