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ななじゅうぶんかのとし
七重文化の都市
野上 豊一郎
線上閱讀野上 豊一郎《七重文化の都市(ななじゅうぶんかのとし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,586 字 · 27 頁
そうしてカイロはメムフィスから発展した都市だとなると、少くとも当初は最もエジプト的に特長づけられていた筈なのに、それが却って今日では最も回教的な最もアラビア的な色彩を持つようになったというのは何故だろう?
それを理解するためにはカイロ発展の沿革について一瞥する必要がある。
エジプトの王祖といわれる第一王朝の最初のパロなるメネスは、南北エジプトを統一して「白壁」と呼ばれる壮大な王城を建てた。それがメムフィスであった。メムフィスはエジプト人がメン・ネフル・ミレー(ミレーの美の町)と呼んだのをギリシア語にした言葉である。ミレーは第六王朝の王ペピ一世のことで、彼はメムフィスを拡張して美しい大都市にした。その頃、メムフィスは、ヘリオポリス(カイロの北東約五マイル)と並んで三角州の殷賑の中心だった。ヘリオポリス(日の町)は字の如く太陽礼拝の土地だったが、メムフィスは技術の神プタ※(小書き片仮名ハ、1-6-83)礼拝の土地で、多くの殿堂・宮殿の中でもプタ※(小書き片仮名ハ、1-6-83)の殿堂がすぐれて見事だったといわれる。しかし今は何物も遺ってない。棕櫚の木の繁茂の間からラメセス二世の二つの巨像と手頃なスフィンクスが一つ発掘されただけである。