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さんりょうせいべえとめいばあさづき

三両清兵衛と名馬朝月

安藤 盛

線上閱讀安藤 盛《三両清兵衛と名馬朝月(さんりょうせいべえとめいばあさづき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,144 字 · 17 頁

青空文庫

友人たちは、骨と皮ばかりの馬を、清兵衛が買ってきたのでおどろいた。

「これは、朝月でなくて、やせ月だ」

そして、

「清兵衛、この名馬はどこで手に入れた」と、からかい半分にきいたりしようものなら、

「ほう、おぬしにもこれが名馬だとわかるか」

清兵衛は得意になって、朝月を見つけた話をきかせたうえ、

「これが三両で手にはいったのだ、たった三両だよ」とつけくわえる。

その様子があまりまじめなので、あきれかえった友だちは、しまいには、ひやかすのをやめたが、いつしか三両でやせ馬を買ったというところから「三両清兵衛」のあだなをつけられてしまった。

清兵衛は、そんなことにはすこしもかまわず、自分は食うものも、食わないようにして、馬にだけ大豆や、大麦などのごちそうを食わせた。朝月は主人清兵衛の心がよくわかったとみえ、そのいうことをききわけた。そして、しだいに肥え太ってきた。このことが、宍戸備前守の耳に入ると、

「清兵衛のような貧乏な者が、馬をもとめたとは、あっぱれな心がけ、武士はそうありたいものだ」

と、さっそくおほめのことばとともに、金五十両をあたえられた。

清兵衛は、この金を頂戴すると、第一に新しいうまやを建てた。