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さんにんきょうだい
三人兄弟
菊池 寛
線上閱讀菊池 寛《三人兄弟(さんにんきょうだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 10,630 字 · 22 頁
それからは、二郎次も皆と一緒にお酒を飲んだり、物を食べたりしました。それは生れて初めて食べるような御馳走を、腹一ぱい食べました。二郎次は心のうちで、
「その日のうちに奉公口が定まって、その上にこんな御馳走が食べられるとは、こんなうまい話はない。己が進んで来た真中の道は一番幸な道だったな。」と思いました。
その翌晩でした。昨日二郎次を案内して来た武士が来まして、
「今晩は、お殿様が都へおいでになるのじゃ。お前もお伴をさせてやる。」と言いました。暫くすると、いよいよ出発ということになりました。お殿様という六尺に近い大男は、立派な白い馬にひらりと乗りました。その後から、上の方の家来が六、七人ばかり馬に乗って続きました。残った者は、めいめいお殿様の馬を囲んで行列を作って歩きました。不思議なことに、どの男もどの男も、弓や長刀やを持っていました。二郎次にも、お前にはこれを貸してやると言って、一本の太刀を貸してくれました。
二郎次は、こんなに夜遅くお殿様はどこへ行くのだろうかと疑いながらも、黙って付いて行きました。やがて、大きな川にかかっている橋を渡ると、そこはもう都の中だと見え、立派な家が沢山並んでいました。