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さんびきのあり

三匹のあり

小川 未明

線上閱讀小川 未明《三匹のあり(さんびきのあり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 1,838 字 · 4 頁

青空文庫

「お父さんや、お母さんは、あの木のてっぺんまで、お上りになったといわれた。僕たちも、どこまでいけるか上ってみようじゃないか。」と、ほかの一匹のありがいいました。ついに五匹の子ありは、大きなくるみの木に上っていきました。そこで、中途までいった時分には、五匹とも疲れてしまって、しばらく、枝の上に休んで、物珍しげに、あたりの景色などをながめていました。

「なんという、大きな河だろうか。」といって、一匹のありは下を見おろしていました。

「なんという広い野原だろう。」と、ほかの一匹が驚いていいました。太陽は、ちょうど木のてっぺんに輝いていました。するとそのとき、

「あの枝に、あんなにきれいな葉があるじゃないか。あのそばまでいってみよう。」と、一匹のありが叫びました。

二匹のありは、あの赤い葉こそ危険だと、お母さんやお父さんがいわれたのだから、ゆくのはよしたがいいといいました。けれど、ほかの三匹のありは、どうしてもいってみるといいはりました。

二匹の子ありは、そこから三匹のお友だちに別れて地の上へ帰ることになりました。そこには、こいしいお母さんやお父さんがすんでいられました。