輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
さんえもんのつみ
三右衛門の罪
線上閱讀芥川 竜之介《三右衛門の罪(さんえもんのつみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,132 字 · 15 頁
」
三右衛門はまた言葉を切った。が、治修は黙然と耳を傾けているばかりだった。
「二人は正眼に構えたまま、どちらからも最初にしかけずに居りました。その内に多門は隙を見たのか、数馬の面を取ろうと致しました。しかし数馬は気合いをかけながら、鮮かにそれを切り返しました。同時にまた多門の小手を打ちました。わたくしの依怙の致しはじめはこの刹那でございまする。わたくしは確かにその一本は数馬の勝だと思いました。が、勝だと思うや否や、いや、竹刀の当りかたは弱かったかも知れぬと思いました。この二度目の考えはわたくしの決断を鈍らせました。わたくしはとうとう数馬の上へ、当然挙げるはずの扇を挙げずにしまったのでございまする。二人はまたしばらくの間、正眼の睨み合いを続けて居りました。すると今度は数馬から多門の小手へしかけました。多門はその竹刀を払いざまに、数馬の小手へはいりました。この多門の取った小手は数馬の取ったのに比べますと、弱かったようでございまする。少くとも数馬の取ったよりも見事だったとは申されませぬ。しかしわたくしはその途端に多門へ扇を挙げてしまいました。つまり最初の一本の勝は多門のものになったのでございまする。