輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

さんしろう

三四郎

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《三四郎(さんしろう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 頁

青空文庫

現にあの色あの形そのものが一種の表情なんだからしかたがない」

原口さんは、この時また二足ばかりあとへさがって、美禰子と絵とを見比べた。

「どうも、きょうはどうかしているね。疲れたんでしょう。疲れたら、もうよしましょう。――疲れましたか」

「いいえ」

原口さんはまた絵へ近寄った。

「それで、ぼくがなぜ里見さんの目を選んだかというとね。まあ話すから聞きたまえ。西洋画の女の顔を見ると、だれのかいた美人でも、きっと大きな目をしている。おかしいくらい大きな目ばかりだ。ところが日本では観音様をはじめとして、お多福、能の面、もっとも著しいのは浮世絵にあらわれた美人、ことごとく細い。みんな象に似ている。なぜ東西で美の標準がこれほど違うかと思うと、ちょっと不思議だろう。ところがじつはなんでもない。西洋には目の大きいやつばかりいるから、大きい目のうちで、美的淘汰が行なわれる。日本は鯨の系統ばかりだから――ピエルロチーという男は、日本人の目は、あれでどうしてあけるだろうなんてひやかしている。――そら、そういう国柄だから、どうしたって材料の少ない大きな目に対する審美眼が発達しようがない。