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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《三四郎(さんしろう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 頁

青空文庫

さすが専門家は違いますね。よくここに気がついたものだ。光線が顔へあたるぐあいがうまい。陰と日向の段落がかっきりして――顔だけでも非常におもしろい変化がある」

「いや皆御当人のお好みだから。ぼくの手柄じゃない」

「おかげさまで」と美禰子が礼を述べた。

「私も、おかげさまで」と今度は原口さんが礼を述べた。

夫は細君の手柄だと聞いてさもうれしそうである。三人のうちでいちばん鄭重な礼を述べたのは夫である。

開会後第一の土曜の昼過ぎにはおおぜいいっしょに来た。――広田先生と野々宮さんと与次郎と三四郎と。四人はよそをあと回しにして、第一に「森の女」の部屋にはいった。与次郎が「あれだ、あれだ」と言う。人がたくさんたかっている。三四郎は入口でちょっと躊躇した。野々宮さんは超然としてはいった。

おおぜいのうしろから、のぞきこんだだけで、三四郎は退いた。腰掛けによってみんなを待ち合わしていた。

「すてきに大きなもの描いたな」と与次郎が言った。

「佐々木に買ってもらうつもりだそうだ」と広田先生が言った。

「ぼくより」と言いかけて、見ると、三四郎はむずかしい顔をして腰掛けにもたれている。