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あるくこと
三好十郎の仕事 第三巻
三好 十郎
線上閱讀三好 十郎《三好十郎の仕事 第三巻(あるくこと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 334,472 字 · 667 頁
(消える)
(それを見送って炊事場に立っている双葉の顔が、薄暗い中に白くボンヤリ見える。しばらくしてそれがフットかげったのは、両手が顔を蔽うたのである。……上手扉から手に洗った菜を持った圭子が入って来る)
圭子 はい、これ位でよろしい?
双葉 ……(圭子に気付いて、クルリと棚の方を向き、炊事道具をコトコト言わせる)すみません、お客さまを使ったりして。
圭子 あらあ、たいへん! これ、もむんですの?
双葉 (手を出して)ありがとう。
圭子 いえ私にやらしてよ。(そこに有るマナ板の上にそろえてのせる)ほうちょうは?
双葉 ……(ほうちょうを取って渡す)三平叔父さんは――?
圭子 誠さんと畑の所で話していらっしゃるわ。(コトコトとほうちょうの音)……誠さん、なんだか、とてもお痩せになりましたわねえ。
双葉 そうかしら? でも、あすこから出て来た当座に較べると目方など、とてもふえたって言ってますけど。
圭子 ……どれ位、中にいらしったの?
双葉 一年と、五カ月ばかりだったかしら。(圭子のきざんだ菜をアルミのボールに取って、塩をふりかけて、もむ)
圭子 ……じゃ信子さんとは、とうとうお逢いにならなかったのね?