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みうらろうじんむかしばなし

三浦老人昔話

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《三浦老人昔話(みうらろうじんむかしばなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 113,637 字 · 224 頁

青空文庫

市川さんの屋敷はあまり広くないので、十六畳ほどのところを稽古場にしている。勿論、それを本業にしている町の師匠とは違いますから、弟子はそんなに多くない。町の師匠ですと、多いのは二百人ぐらい、少くも六七十人の弟子を取っていますが、市川さんなどの屋敷へ通ってくるのは大抵二三十人ぐらいでした。

そこで鳥渡お断り申して置きますが、こういう師匠の指南をうけに来るものは、かならず武家の子どもに限ったことはありません。町人職人の子どもでも弟子に取るのが習いでした。師匠が旗本であろうが、御家人であろうが、弟子師匠の関係はまた格別で、そのあいだに武家と町人との差別はない。已に手跡を指南するという以上は、大工や魚屋の子どもが稽古に来ても、旗本の殿様がよろこんで教えたものです。それですから、こういう屋敷の稽古になると、武家の息子や娘も来る、町人や職人の子供も来るというわけで、師匠によっては武家と町人との席を区別するところもあり、又は無差別に坐らせるところもありましたが、男の子と女の子とは必ず別々に坐らせることになっていました。市川さんの屋敷では武家も町人も無差別で、なんでも入門の順で天神机を列べさせることになっていたそうです。