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みうらろうじんむかしばなし

三浦老人昔話

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《三浦老人昔話(みうらろうじんむかしばなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 113,637 字 · 224 頁

青空文庫

旗本の主人が清元の太夫になって、料理茶屋のお浚いに出席して、しかも町人にぶち殺されたなどと云うことが表沙汰になれば、家断絶ぐらいの御咎めをうけないとも限りませんから、残念ながら泣寝入りにするより外はありません。今年十五になる丹三郎という息子さんは、お父さんが大事にしていた二挺の三味線を庭へ持ち出して、脇差を引きぬいてその棹を真二つに切りました。皮をずた/\に突き破りました。

「これがせめてもの仇討だ。」

小坂さんは急病で死んだことに届けて出て、表向きは先ず無事に済んだのですが、その初七日のあくる日、八人の若い男が赤坂桐畑の屋敷へたずねて来て、玄関先でこういうことを云い入れました。

「わたくし共は高輪辺に住まっております者でございますが、先日御殿山へ花見にまいりまして、その帰り途に川与という料理茶屋のまえを通りますと、そこの家に清元の浚いがございまして、立看板の連名のうちに清元喜路太夫というのがございました。ついぞ名前を聞いたことのない太夫ですから、一段聴いてみようと云って這入りますと、帳場の者が入れないという。こっちは酔っておりますので、是非入れてくれ、左もなければその喜路太夫というのをこゝへ出して挨拶させろと、無理を云って押問答をしておりますところへ、奥からその喜路太夫が出て来て、今夜は入れることは出来ない