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みうらろうじんむかしばなし

三浦老人昔話

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《三浦老人昔話(みうらろうじんむかしばなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 113,637 字 · 224 頁

青空文庫

」と、女は迷惑そうに顔をしかめながら笑っていた。

「どうしても聴かして下さるわけには行かないんでしょうか。」と、私も笑いながら催促した。

「困りましたね。まったく詰まらないお話なんですから。」

「詰まらなくてもようござんすから。」

「だって、いけませんよ。ねえ、三浦さん。」と、かれは救いを求めるように老人の顔をみた。

「そう押合っていては果てしがない。」と、老人は笑いながら仲裁顔に云った。「じゃあ、一旦云い出したのが私の不祥で、今更何うにも仕様がないから、わたしが代理で例のおしゃべりをすることにしましょうよ。おまえさんも係り合だから、おとなしくこゝに坐っていて、わたしの話の間違っているところがあったら、一々そばから直してください、逃げてはいけませんよ。」

いよ/\迷惑そうな顔をしている女をそこに坐らせて置いて、老人はいつもの滑らかな調子で話しはじめた。

二

どこかに迷惑がる人がいますから、店の名だけは堪忍してやりますが、場所は吉原で、花魁の名は諸越とおぼえていて下さい。安政の末年のことで、その諸越のところへ奥州のある大名――と云っても、例の仙台様ではありません。